Clásicos japoneses con furigana
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めいせつじじょでん
鳴雪自叙伝
内藤 鳴雪
Lee 鳴雪自叙伝 (めいせつじじょでん) de 内藤 鳴雪 (ないとうめいせつ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 192.693 caracteres · 377 pantallas
けれども自分も戦に負けて帰ったような姿なので、浮き浮きせず祖母始めの顔を見ても別に嬉しくもなかった。それからわれわれの勤務上も常より多くの数で二の丸へ詰めた。その外の役々を始め諸士も二の丸、三の丸に大勢詰めて、これらの人々は皆陣羽織を着用して戦時の警戒は解かなかった。或る夜などは、サァ長州兵が三津浜へ来たといって、城下が騒ぎ出して、私の父は直に馬で三津浜へ馳け付けたが、それは外国船が沖を通過したのを見誤ったので、後では笑いになった。
既に休兵の命はあったけれど、長州の態度は少しも判らぬから、何時攻めて来るかも知れぬので、軍備は調べて置かねばならぬ。ある日世子は二の丸から本丸へかけての櫓々の武器の検査された。その際天守閣に登られて、私もお供して初めてこの天主閣の眺望をしたのである。最上層には遠祖の菅原道真即ち天満宮が祀ってある。その他にも武器などが置かれてあったが、この天主閣の下は石造の穴蔵のような物になっていた。外へ出るには鉄の閂があって、外から鉄の閂に錠が下してある。ちょっと見れば外からでなければ入れぬようであるが、別に下層の間に或る押入の唐紙を明けると、そこの板敷は一つ一つ刎ね板になっていて、長い梯子があって右の穴蔵へ下れることになっていた。