Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あるひのれんげつに
ある日の蓮月尼
岡本 かの子
Lisez ある日の蓮月尼 (あるひのれんげつに) de 岡本 かの子 (おかもとかのこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 878 caractères · 25 écrans
蓮月 ――あるか無いかより、どうしてもあってもらわなくてはならなくなったわたくしの心持ちを少しお話いたしましょう。わたくしとて夫婦生活を体験し、子供も二三人持った女です。わたくし等夫婦は媒酌で結婚したものの、その間には愛が完全に生れ、子供も随分可愛く御座いました。愛の生活としては可成り幸福なものでございました。それを一時にわたくしは持って行かれてしまいました。夫も子供もあっけなく死んで行って仕舞いました。これを宿命と解さないでどう諦めましょう。時には諦めかねて、世間の人情どおり、死んで夫や子供の跡を追おうと決心したことも何度あったか知れません。然しそれが決行できなかったのは一人の親の為でした。わたくしには一人の老いた父があり、それを養う為にしばらく死を思い止まらねばなりませんでした。
無名の青年 ――くわしくは今が始めてですが、そういうあなたの御事情は前から大分知って居ました――で、あなたは世の中は無常だから、愛までも信じられなくなったといわれるのですか?
蓮月 ――一番幸福な絶頂から一番不幸な谷底へ蹴落された人間に、それを敢て繰り返す勇気も精もまだ残って居るとあなたはお思いですか?