Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おしげ
お繁
山本 周五郎
Lisez お繁 (おしげ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 857 caractères · 14 écrans
ある日はまたかつて父親がもぐりこんでは寝た、あの消防小舎の蔭で垢だらけの妹に小用をさせている、――けれども、いつもかならず一人だ。村のほうへやって来ることがないのではないが、子供たちが遊び群がる時分になるとかならずどこかへ見えなくなる。
彼女は粗朶置場へ寝る、またどこかの納屋の中で……腹が減るとごったく屋の裏口を覗き廻る、それから墓場へ、そこにも飯や菓子が供えられてあるから。
「わあ――い」
子供たちがそれをみつけて囃したてる、「繁阿魔がまた墓ん場の物を喰ってるだ、げーんが、げーんが」
げんがとは東京付近でいうえんがと同じ意味である。――お繁は妹を墓地へ置いたままとび出して行く、
「ぬかすなっ、源!」
と喚く、「墓場の物を喰うがどうした、おめえの阿魔あはもっとげんがだあ、中堀の巳之ちゃんことくっついてるだぞ。知ってんか、おんだらちゃんと見ているんだ、いつも夜になんと粗朶置場の中で一緒に寝てるだ、――おんだら塀の穴から見てただ」
そして汚らしく唾を吐くのだ。
そのとき彼女の眼は小豹のように輝く、剥きだした白い歯がかちかちと鳴る、それ以上なにか云えば、彼女は両手の爪を鈎のようにして跳びかかり、じつに思い切った方法で納得のいくまで相手をやっつけるのだ。