Classiques japonais avec furigana
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このこをのこして
この子を残して
永井 隆
Lisez この子を残して (このこをのこして) de 永井 隆 (ながいたかし) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 102 102 caractères · 203 écrans
歌っている女の子は三つか、せいぜい四つか? まだ舌がよくまわらぬらしい。歌に合わせて幼い子らが何人か遊戯をしているらしい。修道女のやさしい声、きゃっきゃっよろこび笑う声。やがて、その次の部屋の窓からワーンと大声で泣き出すと、修道女が、アラアラ、おしっこネ、とばたばたする音。
その隣の部屋では公教要理のお話が始まっているらしい、大きな子供と修道女との問答。
「神とは、どのようなお方でありますか?」
「はい、神とは、天地万物をつくり、またこれをつかさどりたもう限りなく完全な霊であります」
「すると、その霊とはなんでありますか?」
違った女の子の声で、
「はい、霊とは五官には感じられないが、知恵と意志とをそなえたものであります」
「神は人のことを特別におはからいになりますか?」
「はい、神は人の生命・健康・衣食住をはじめ、霊魂と肉身とにかかわるすべてのことを特別におはからいになります。これを神の摂理と申します」
「そうですね、すべての世の中の出来事は、どうすることもできない運命によるものではなく、神の摂理によって導かれるものであります」
「それでは、神は人のことを特別におはからいになるのに、なぜ禍をお除きになりませんの?」