Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

それから

それから

夏目 漱石

Lisez それから de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 172 794 caractères · 347 écrans

Aozora Bunko

十一

と三千代は甚だ苦しそうに言訳をした。

「どうせ貴方に上げたんだから、どう使ったって、誰も何とも云う訳はないでしょう。役にさえ立てばそれで好いじゃありませんか」と代助は慰めた。そうして貴方という字をことさらに重くかつ緩く響かせた。三千代はただ、

「私、それで漸く安心したわ」と云っただけであった。

雨が頻なので、帰るときには約束通り車を雇った。寒いので、セルの上へ男の羽織を着せようとしたら、三千代は笑って着なかった。

十一

何時の間にか、人が絽の羽織を着て歩く様になった。二三日、宅で調物をして庭先より外に眺めなかった代助は、冬帽を被って表へ出てみて、急に暑さを感じた。自分もセルを脱がなければならないと思って、五六町歩くうちに、袷を着た人に二人出逢った。そうかと思うと新らしい氷屋で書生が洋盃を手にして、冷たそうなものを飲んでいた。代助はその時誠太郎を思い出した。

近頃代助は前よりも誠太郎が好きになった。外の人間と話していると、人間の皮と話す様で歯痒くってならなかった。けれども、顧みて自分を見ると、自分は人間中で、尤も相手を歯痒がらせる様に拵えられていた。これも長年生存競争の因果に曝された罰かと思うと、余り難有い心持はしなかった。