Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

それから

それから

夏目 漱石

Lisez それから de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 172 794 caractères · 347 écrans

Aozora Bunko

輪の音が、雨を圧して代助の耳に響いた時、彼は蒼白い頬に微笑を洩しながら、右の手を胸に当てた。

三千代は玄関から、門野に連れられて、廊下伝いに這入って来た。銘仙の紺絣に、唐草模様の一重帯を締めて、この前とはまるで違った服装をしているので、一目見た代助には、新らしい感じがした。色は不断の通り好くなかったが、座敷の入口で、代助と顔を合せた時、眼も眉も口もぴたりと活動を中止した様に固くなった。敷居に立っている間は、足も動けなくなったとしか受取れなかった。三千代は固より手紙を見た時から、何事をか予期して来た。その予期のうちには恐れと、喜と、心配とがあった。車から降りて、座敷へ案内されるまで、三千代の顔はその予期の色をもって漲っていた。三千代の表情はそこで、はたと留まった。代助の様子は三千代にそれだけの打衝を与える程に強烈であった。

代助は椅子の一つを指さした。三千代は命ぜられた通りに腰を掛けた。代助はその向うに席を占めた。二人は始めて相対した。然し良少時は二人とも、口を開かなかった。

「何か御用なの」と三千代は漸くにして問うた。代助は、ただ、

「ええ」と云った。