Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ちくしょうだに
ちくしょう谷
山本 周五郎
Lisez ちくしょう谷 (ちくしょうだに) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 788 caractères · 138 écrans
ような者が動きたがらないのは、当然のことだったかもしれません」
娘のゆきは頭もかなりよく、健康に育っていった。読書欲もつよいし、手跡の筋もよかった。礼儀作法も武家なみにきびしく躾けたが、よくのみこんでそれを守った。これはものになると思い、この娘だけでも人並に育てあげれば、そこから道がひらけるかもしれないと思った。――自分の眼に狂いはないと信じていたが、ゆきは十六歳の秋、堕胎の失敗で急死した。娘がいつそんなことをしたか、自分はまったく知らなかったし、四カ月という胎児を見るまでは信じられなかった。
「私は妻を問い詰めました、妻は知っていたのです」老人はまた自分の手をみつめ、暫く黙っていてから、静かに続けた、「――私は妻を折檻しました、ばかなことですが、殺してしまおうかとさえ思いました、こごさには折檻される意味がわからないようすでしたが、やがて私に云い返しました、ここはちくしょう谷だ、自分にも覚えがある筈だ、と」
正内老人は長い金火箸で炉の火を直し、立ちあがっていって、湯呑の中の冷えた茶をあけると、その蔀窓のところに立って、ながいこと外を見まもっていた。