Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちくしょうだに

ちくしょう谷

山本 周五郎

Lisez ちくしょう谷 (ちくしょうだに) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 788 caractères · 138 écrans

Aozora Bunko

七

この記事は秦武右衛門という、そのときの木戸の番頭が書いたもので、秦はすぐに行者を捜索させたが、部落にはもちろんいなかったし、どっちへたち去ったか、足跡もみつけられなかった。これまでに、流人村へ外部から人のはいったためしはないし、そのときは特にひどい風雪が続いていて、そうでなくても難所の多い険道を、そんな行者などがどうして登って来たか、またどこからどのようにして去っていったか、すべてが謎のようで、どう解釈していいかまったくわからなかった。

「この話は聞いたことがある」読み終ってから隼人は思いだした、「そうだ、正内老人が話していたんだ、行者の狐騒動で住民の半分が死んだ、それから密通の禁もゆるやかになった、と云っていたようだ」

そして隼人は初めて、いったい正内老人というのはどういう人間だろうか、と不審をもつようになった。あやという娘に読み書きを教えている、という口ぶりや、ぜんたいの人柄に一種の風格が感じられた。――彼は改めて部落の人別帳をしらべてみ、どこにも正内老人の名が記してないことを慥かめた。

七

朝田隼人が二度めに部落へいったのは、四月十八日のことであるが、それまでに彼は、木戸の番士と部落の女たちとの、不快な関係について二三の話を聞き、自分でもいちどその事実を見た。