Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

つばくろ

つばくろ

山本 周五郎

Lisez つばくろ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 21 987 caractères · 44 écrans

Aozora Bunko

不幸を経験した者でなければ、不幸の本当の味はわからない。おいちは彼の上に自分の哀れさをみた、慰さめてやらずにはいられなくなった。そして或日、おいちは乏しい銭で松葉屋の飴を買って、彼に遣った。

「あの方は初めてのときは、そんな物は要らないと云って、怒ったように脇へ向いてしまいました、……あの方はからかわれたと思ったそうですの、……あの方が十九、わたくしが十三のときでございました」

三度まで彼は受取らなかった。三度めにおいちは泣いて帰った、そして四度めに、初めて三之助はおいちの贈物を取った。

――これではあべこべだね、でも貰うよ、有難う。

彼はそう云って、泣くような笑い顔をした。そしてこっちの気持がわかったのだろう、それからはいつもおいちの持ってゆく物を喜んで受取った。こちらの境遇が境遇なので、むろんそういつもというわけにはいかなかった。だがおいちは身を詰めるようにして小さい智恵を絞って、できるだけ彼を慰さめることに努めた。城下で名の高い米屋の饅頭なども、幾たびか持っていって彼を喜こばせた。

――美味かったよ、話には聞いていたが食べるのは初めてだ、やっぱり評判だけのことはあるね、有難う。