Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みさごのすし
みさごの鮨
泉 鏡花
Lisez みさごの鮨 (みさごのすし) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 23 198 caractères · 47 écrans
「あはははははは。おほほほほほ。」
勃然とした体で、島田の上で、握拳の両手を、一度打擲をするごとくふって見せて、むっとして男が行くので、はあはあ膝を摺らし、腰を引いて、背には波を打たしながら、身を蜿らせて、やっと立って、女は褄を引合せざまに振向くと、ちょっと小腰を屈めながら、教授に会釈をするが疾いか。
「きゃあ――」と笑って、衝と駈けざまに、男のあとを掛稲の背後へ隠れた。
その掛稲は、一杯の陽の光と、溢れるばかり雀を吸って、むくむくとして、音のするほど膨れ上って、なお堪えず、おほほほほ、笑声を吸込んで、遣切れなくなって、はち切れた。稲穂がゆさゆさと一斉に揺れたと思うと、女の顔がぼっと出て、髪を黒く、唇を紅く、
「おほほほほほほほ、あはははははは。」
「白痴奴、汝!」
ねつい、怒った声が響くと同時に、ハッとして、旧の路へ遁げ出した女の背に、つかみかかる男の手が、伸びつつ届くを、躱そうとしたのが、真横にばったり。
伸しかかると、二ツ三ツ、ものをも言わずに、頬とも言わず、肩とも言わず、男の拳が、尾花の穂がへし折れるように見えて打擲した。
顔も、髪も、土まみれに、真白な手を袖口から、ひしと合せて、おがんで縋って、起きようとする、腕を払って、男が足を上げて一つ蹴た。