Classiques japonais avec furigana
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みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
Lisez みなかみ紀行 (みなかみきこう) de 若山 牧水 (わかやまぼくすい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 102 087 caractères · 203 écrans
或は右に、或は左に、時には飛沫のかたまりの様に砕けて落ち、時には生絹を練る様に滑らかに円く光って落ちている。滝から起る響きもまたそれにつれて変っていた。
木立を通りすぎると野なかの畑である。豆畑があった。玉蜀黍畑があった。茄子畑があった。桑の枝の乱れている畑もあった。それらがごちゃごちゃに植わっている様な狭い畑もあった。すべてが打ち開けた月光の世界である。そして蟋蟀が鳴き、馬追が鳴き、或るものの細かな葉さきには露の玉が光っていた。ことに私の心を動かすのは玉蜀黍の長い垂葉とそのほおけた花の穂さきである。ひっそりと垂れた葉のみだれには月の影も乱れながらにこまごまと静けく宿っているのであった。
睡れ、睡れと念じながら帰って蚊帳に入ると、難有や願いの通りぐっすりと睡りつくことが出来た。
翌朝早く起きて便所にゆくと、廊下で一人の大きな西洋人に逢った。注意して見ると西洋人はこの男一人であった。私の一寸いた室は勿論、他の室も空いていた。室料が高く私を気の毒がっての宿の処置か、それともこちらの懐中を危ぶんだか、または電報の約束が間違ったか、変な事をするものだと思いながら、朝飯を待った。