Classiques japonais avec furigana
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みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
Lisez みなかみ紀行 (みなかみきこう) de 若山 牧水 (わかやまぼくすい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 102 087 caractères · 203 écrans
白骨温泉
嶮しい崖下の渓間に、宿屋が四軒、蕎麦屋が二軒、煎餅や絵葉書などを売る小店が一軒、都合唯だ七軒の家が一握りの狭い処に建って、そして郵便局所在地から八里の登りでその配達は往復二日がかり、乗鞍岳の北麓に当り、海抜四五千尺(?)春五月から秋十一月までが開業期間でその他の五個月は犬一疋残る事なく、それより三里下の村里に降って、あとはただ全く雪に埋れてしまう、と云えば大抵信州白骨温泉の概念は得られる事と思う。そして胃腸に利く事は恐らく日本一であろうという評判になっている。
松本市から島々村まではたしか四里か五里、この間はいろいろな乗物がある。この島々に郵便局があるのである。其処から稲※村まで二里、此処に無集配の郵便局があって、附近の物産の集散地になって居る。それより梓川に沿うて六里、殆んど人家とてもない様な山道を片登りに登ってゆくのだ。この間の乗物といえば先ず馬であるが、それも私の行った時には道がいたんで途絶していた。ただ旧道をとるとすると白骨より三里ほど手前に大野川という古びた宿場があって、其処を迂回する事になり、辛うじて馬の通わぬ事もないという話であった。