Classiques japonais avec furigana
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みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
Lisez みなかみ紀行 (みなかみきこう) de 若山 牧水 (わかやまぼくすい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 102 087 caractères · 203 écrans
「よし……」と思わず口に出して、私は新計画を皆の前に打ちあけた。
「いいなア!」
と皆が云った。
「それがいいでしょう、どうせあなただってももう昔の様にポイポイ出歩くわけには行くまいから」
とS―が勿体ぶって附け加えた。
そうなるともう一つ新しい動議が持ち出された。それならこれから皆していっそ軽井沢まで出掛け、其処の蕎麦屋で改めて別盃を酌んで綺麗に三方に別れ去ろうではないか、と。無論それも一議なく可決せられた。
軽井沢の蕎麦屋の四畳半の部屋に六人は二三時間坐り込んでいた。夕方六時草津鉄道で立ってゆく私を見送ろうというのであったが、要するにそうして皆ぐずぐずしていたかったのだ。土間つづきのきたない部屋に、もう酒にも倦いてぼんやり坐っていると、破障子の間からツイ裏木戸の所に積んである薪が見え、それに夕日が当っている。それを見ていると私は少しずつ心細くなって来た。そしてどれもみな疲れた風をして黙り込んでいる顔を見るとなく見廻していたが、やがてK―君に声かけた。
「ねエK―君、君一緒に行かないか、今日この汽車で嬬恋まで行って、明日川原湯泊り、それから関東耶馬渓に沿うて中之条に下って渋川高崎と出ればいいじゃアないか、僅か二日余分になるだけだ」