Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

めおとちょう

めおと蝶

山本 周五郎

Lisez めおと蝶 (めおとちょう) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 23 977 caractères · 47 écrans

Aozora Bunko

……良平は医者といれちがいに寝間へ去った、初め甲之助の苦しむのを見たときは、顔色を失い、唇を白くして、自分でも躯を震わせていたが、寝所へはいるとそれなり出て来なかった。

「こんなとき知也さまならどうなさるだろう」

すぎもさがらせたあと、独りで甲之助の顔を見まもりながら、信乃は無意識にこう呟いて、その声に自分でびっくりして、眼をかたくつむった。激しい自責の思いと、悩ましい思慕のような感動とで、胸がせつなくなり頭がくらくらした。

――もしこの子が死ぬとすれば、あのとき自分に勇気がなかったことの罰だ。

信乃は全身に針を打たれるような感じで、ながいこと眼をつむったまま坐っていた。

良平は甲之助のそばへも近よらず、容態をきこうともしなかった。信乃も話す気になれない、良人の冷酷に似た硬い顔を見ると、口まで出かかった言葉が喉につかえてしまう。たとえ甲之助が死んだとしても、自分から良人には云うまいと思った。……実家の住川から母と妹がみまいに来たが、そのとき母に、これからは自分で世話をするがいいと云われた。

「上村さんの家風もあるだろうけれど、やっぱりおなかを痛めた母親が育てなければだめですよ、乳母はどうしたって乳母で、血を分けた者とは違うんですから……それにまるで情がうつらないじゃありませんか、こんなことは殿方にはおわかり