Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

めおとちょう

めおと蝶

山本 周五郎

Lisez めおと蝶 (めおとちょう) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 23 977 caractères · 47 écrans

Aozora Bunko

五

「御用で出る、今夜は帰らぬかもしれぬ」

五

良人に支度をさせて送りだしたあと、召使を寝かせてから、自分もいちど寝所へはいった。しかし眠れそうでもないし、ことによると良人が帰るかもしれないと思い、居間へ戻って火をかき起し、茶を濃く淹れて、縫いかけの物をとり出して坐った。

――おまえは私に不満かもしれない、私は小身者の出だから、……軽侮したくなるようなぶざまなことが多いだろう。

良人の云ったことが思いだされた。軽侮という言葉はいつかも出た、今夜は二度、しまいのほうで中断されたが、おまえに軽侮されないような人間にと云った。……信乃は良人を愛することができない、それが高じて憎むようにさえなってきた。けれども「軽侮」などということは、自分では夢にも感じたことはなかった。

「――なにを思い違いしているのだろう、自分のどういうところがそんなふうに見えるのだろうか」

信乃は針の手を膝に置いて、これまでの良人との明け昏れを思いかえそうとした。

そのときであった。すぐ縁側の外の雨戸をひそかに指先で叩く音がし、自分の名を呼ぶような声が聞えた。……初めは風が戸を揺らし、雪の囁きだと思った。