Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
キャラコさん
キャラコさん
久生 十蘭
Lisez キャラコさん de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 32 972 caractères · 66 écrans
……とにかく、あたしはそんな騒ぎを見るのはいやだから、横浜へ着いたら快遊船を降りて、ひとりでカナダへ帰ります。……あとは、あなたがいいようになさい。あたしは、知らないから」
「したいようにするがいいさ」
「最後に、はっきりいって置きますがね、あたしはあくまでもレエヌの味方ですよ。そう思っていてください」
「わかった、わかった」
エステル夫人は、アマンドさんの顔をマジマジとながめながら、
「どうしてあんな娘がそんなに気にいったの。なんだか、固苦しい、いやなところがあるじゃありませんか」
「お前には、それくらいにしかわからないか」
「ええ、わかりませんね。……それに、あまり貧乏すぎる」
「また、違った。……ひょっとすると、あのお嬢さんは、われわれよりも金持ちなんだぞ」
二
キャラコさんは、船室の中で眼をさます。
窓掛けが、頭の上で蝶がたわむれるようにゆれている。船窓からくる朝の光が、丸い棒のようになって横倒しにノルマンディーふうの小箪笥のうえに落ちかかり、手のこんだ側板の彫刻を明るく浮きあげる。
部屋の隅のほうに、天鵞絨の長椅子としゃれた小床几がどっかりと置かれ、反対の側には、三面鏡のついた、世にもみごとな化粧台があって、香水ふきや白粉いれがピカピカ光りながらキャラコさんに微笑みかける。