Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

パノラマとうきだん

パノラマ島綺譚

江戸川 乱歩

Lisez パノラマ島綺譚 (パノラマとうきだん) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 78 920 caractères · 153 écrans

Aozora Bunko

進行につれて、鈍い回転を続けています。聞えるものは、鈍重な機関の響と、舷にくだける波の音ばかりです。

この分なれば、彼の計画は先ず発覚する心配はありません。幸い時は春の終り、海は眠った様に静です。航路の関係上、陸影は徐々に船の方へ近づいて来ます。後はもう、その陸と船とが最も接近する、予定の場所を待つ丈けなのです。(彼は度々この航路を通ったことがあって、それがどの辺だかをよく心得ていました)そして、たった数町の海上を、人目にかからぬ様に泳ぎ渡りさえすればよいのでした。

彼は先ず闇の中に、舷を探し廻って、欄干の外部に釘の出ている個所を見つけると、その釘へ、さい前の絣の切れを、風で飛ばぬ様にしっかりと引懸けて置いて、それから、帆布の影に隠れ、素肌にただ一枚着けていた、今の切れと同じ様な柄の古びた袷を脱ぐと、袂の中の財布と変装用具とを落さぬ様にくるみ、そいつを兵児帯でかたく背中へ結びつけました。

「さあこれでよし。少しの間冷い思いをすればいいのだ」

彼は帆布の影を這い出して、もう一度その辺を眺め廻し、大丈夫誰も見ていないことが分ると、巨大な守宮の恰好で、甲板上を舷へと這って行き、スルスルと欄干を乗り越えました。