Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さんりょうせいべえとめいばあさづき

三両清兵衛と名馬朝月

安藤 盛

Lisez 三両清兵衛と名馬朝月 (さんりょうせいべえとめいばあさづき) de 安藤 盛 (あんどうさかん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 144 caractères · 17 écrans

Aozora Bunko

清兵衛は、そのはなづらをなでていった。うまやの外の広場には、下弦の月が雪を銀に照らしていた。そこにあったむしろを背へかけてやろうとすると、朝月はそれをはね落として、鞍をぐいぐいとひいた。なにか事変の起こるのを感じたらしい様子である。

「おお、そうか、なにか貴様は感じたのだなア」

清兵衛が、朝月に鞍をつけると、静かになったので、

「ははあ、こりゃ、明兵が夜討ちをかけるのを、こいつ、さとったのだな、りこうなやつだ。よし、殿に申しあげよう」

と気がついて、清兵衛は、あたふたと、備前守の寝所の外の戸のところへ立って、

「川音清兵衛、殿にまで申しあげます。拙者の乗馬朝月が、こよい異様にさわぎまして、鞍をかみます。そこで、鞍をつけてやりますと、静かにあいなりました。察するに、なにか異変のあるしらせかとぞんじます」

と、どなった。

「よくぞ知らせた。たったいま軍奉行より、明軍は、すでに三里さきまでおし寄せてまいった、防戦のしたくせよ、と通知がまいったところであった。それを早くもさとったとは、さすがに三両で買った名馬、あっぱれ物の役に立つぞ。清兵衛、そちは急ぎ陣中に防戦のしたくいたせと、どなって歩け」