Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さんじゅうちゅうがえりのき

三重宙返りの記

海野 十三

Lisez 三重宙返りの記 (さんじゅうちゅうがえりのき) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 000 caractères · 4 écrans

Aozora Bunko

僕は、このところ二三ヶ月、からだの工合がよくない。それでこの日、文壇航空会にも、残念ながら特殊飛行は断念して、辞退を申出ておいたのであった。殊に、その前々日は終日家にいて床についていたし、その前日は、炬燵の中で終日、日米関係の本を読んでいた始末であった。だから当日は、ふらふらするからだを豊岡まで搬んだようなわけで、特殊飛行をする意志は毛頭なかったのであった。

「海野さん。さあ、支度をなさい」

「僕は、今日は、乗りませんよ」

「そんなことはない。あんたが乗らないということはない。そんなことをいうと、皆、乗らないといい出すよ。さあ、支度を」

「僕は、からだが悪いので……」

「どこが、どうわるい」

「心臓やその他……機上で人事不省になるなんて、醜態ですからねえ」

「なあに、心臓なんか、大丈夫だ。こんな機会は二度とないから、乗りなさい」

これは西原少佐殿と僕との押問答だ。これを傍で聞いている皆々は、愉快そうににやにや笑っているが、僕は笑い事ではない。

こんなことを数回くりかえした。

西原少佐殿は、熱心にくりかえし薦め、そして僕を元気づけてくれる。ここに於て、僕は秒前までの乗らないという決心をさらりと翻し、