Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しゃんはい
上海
横光 利一
Lisez 上海 (しゃんはい) de 横光 利一 (よこみつりいち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 628 caractères · 292 écrans
二三
――
雨の中を一組の日本の巡羅兵が、喇叭を小脇にかかえて通っていった。高重は参木の方へ傾くと小声でいった。
「君、今度の罷業は大きくなるよ。」
「大きけりゃ、大きいだけ、面白いじゃないですか。」
「それも、そうだ。」
二人は黄包車に乗ると飛ばしていった。
二三
円筒から墜落する滝の棉。廻るローラー。奔流する棉の流れの中で工人たちの夜業は始まっていた。岩窟のような機械の櫓が、風を跳ね上げながら振動した。舞い上る棉の粉が、羽搏れた羽毛のように飛び廻った。噴霧器から噴き出す霧の中でベルトの線が霞み出した。噛み合う歯車の面前を、隊伍を組んだ糸の大群が疾走した。
参木は高重につれられて梳棉部から練条部へ廻って来た。繁った鉄管の密林には霧が枝々にからまりながら流れていた。雑然と積み重ったローラーの山がその体積のままに廻転した。
参木は突撃して来る音響に耳を塞いだ。すると、捻じれた寒い気流が無数の層を造って鉄の中から迫って来た。高重は棉の粉を顔面に降らせながら、傍の女工を指差していった。
「どうだ、これで一日、四十五銭だ。」
棉を冠って群れ動く工女の肩が、魚のようにベルトの瀑布の中で交錯した。