Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふざいじぬし

不在地主

小林 多喜二

Lisez 不在地主 (ふざいじぬし) de 小林 多喜二 (こばやしたきじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 990 caractères · 141 écrans

Aozora Bunko

警官が長靴をドカッドカッとさせて、演壇に駆け上った。素早く武藤は演壇を楯に向い合うと、組合員が総立ちになっている中へ飛びこんでしまった。人の渦がそこでもみ合った。聴衆も総立ちになった。――武藤は見えなくなっていた。

「解散! 解散※(感嘆符二つ、1-8-75)」――高等主任が甲高く叫んだ。

聴衆の雪崩は一度に入口へ押し縮まって行った。健がもまれながら外へ出たとき、武藤は七、八人の警官に抑えられて、橇(検束用)へ芋俵のように仰向けに倒され、そのままグルグルと細引で、俵掛けのように橇にしばりつけられてしまっていた。仰向けのまま、巡査に罵声を投げつけている。――見ている間に橇が引かれて行ってしまった。百人位一固まりになった労働者が「武藤奪還」のために警官達と競合いながら、橇の後を追った。

会場の前には、入れなかった群衆がまだ立っていた。それと出てきたものとが一緒になると、喊声をあげた。そして、道幅だけの真黒い流れになって――警察署の方へ皆が歩き出した。組合のものが、その流れの「音頭」をとっていることを健は知った。

健は人を後から押し分け、――よろめき、打つかり、前へ、前へと突き進んだ。