Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふざいじぬし

不在地主

小林 多喜二

Lisez 不在地主 (ふざいじぬし) de 小林 多喜二 (こばやしたきじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 990 caractères · 141 écrans

Aozora Bunko

「そうか、そうか! 頼む!」

上気した頬に、冷えた夜気が心よかった。――秋だった。歩きながら、彼は何か声を出したかった。

「待ってろ、待ってろ、俺だって!」

何度も独言した。

やもめの「勝」

道路を折れると、やもめの「勝」の家だった。長い雨風で、ボロボロに腐れ切ったヨロヨロの藁小屋で、風が強いと危いので、丸太二三本を家の後へ支え棒にしていた。――四五年前に夫に死なれてから、一人で稼いでいた。それから一年に一人ずつ、お互いに少しも顔の似ていない子供を三人生んだ。誰が父親か分らなかった。――色々な男がこっそり勝の家へやってきた。勝はそれで暮しを立てていた。――村の娘等は少し年頃になると、(例えばキヌなどのように)札幌、小樽へ出て行ってしまう。自分の母親達のように、泥まみれになって、割の悪い百姓仕事をし、年を老る気にはなれない。それで村の若い男は幾つになっても、仲々嫁は貰えなかった。と云って、又金を懐にしてワザワザH町まで出掛けて行くことの出来ないものは、日が暮れると、勝のところへやってきた。

ひょいと見ると、勝の家から誰か男が出てきた。出口の幅だけの光を身体の半面にうけて、それがこっちから見えた。