Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふざいじぬし

不在地主

小林 多喜二

Lisez 不在地主 (ふざいじぬし) de 小林 多喜二 (こばやしたきじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 990 caractères · 141 écrans

Aozora Bunko

――中には、落着いて髪を直しながら、ドアーから出てくるものもある。然し大抵外へ出るなり、ワッと泣き出してしまう。見ていられないそうだ。岸野は来る度にキマッてそうした。

岸野が一体どんな事をしているのか、百姓達は、ちっとも知っていない。――ここに来て、それが始めて分った。阿部さんに紹介されて来た人達は、ここで労働問題などを研究している。俺は何も分らなかったが、すすめられて出ている。出てよかった。俺は色々のことをそこで知った。

百姓のことでは、特別に皆から聞いた。百姓というものは、今のこの世の中では何処迄行っても、――行けば行くほど惨めになるものだ、という事を知った。

仮りに百姓が自分の田畑を持っていて、小作料を払うことも要らず、必要なものは全部自分の家でこしらえ、物を売ることも、買うこともなかったら、それは幸福かも知れない。――然しこんな処が世界の何処を探がしたって、無いこと位は分りきったことだ。

都会にいればよく分ることだが、大工場では生活に必要な品物をドンドン作り出している。それが大洪水のように農村を目がけて、その隅々も洩らさずに流れ込んで行く。