Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちぶさ

乳房

宮本 百合子

Lisez 乳房 (ちぶさ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 27 932 caractères · 56 écrans

Aozora Bunko

「じゃ、とにかく何とかしますから」

ひろ子は、やがて両手を膝に突ぱるようにしてゆっくり立ち上りながら云った。

「――今頃ふらふらして、あなた、大丈夫かしら」

「マアいいだろう、第三日曜だから。――じゃ失敬。折角寝たところを起してすみませんでした」

元気よく外へ出かけて、大谷は、

「ホウ」

敷居をまたぎかけたなり、ひろ子の方へ首を廻らして、

「もうこんなだよ」

フーと夜気に向って白く息を吐いて見せた。夜霧に溶けた月光は、さっきより一層静かに濃く、寒さをまして重たそうに見えた。そこを劈いて一筋サッとこちらからの電燈の光が走っている。ひろ子は雨戸に手をかけた姿で、身ぶるいした。

「――重吉さんから手紙来るか?」

「もう二週間ばかり来ないわ――どうしたのかしら」

「戦争からこっちまたなかの条件がわるくなったんだナ。――会ったらよろしく云って下さい」

「ええ。ありがとう」

ひろ子はつよく合点した。そして、良人の深川重吉の古い親友であり、現在の彼女にとっては指導的な立場にいる大谷の戛々と鳴る下駄の音が、溝板を渡るのをきき澄してから、戸締りをして、二階へ戻った。

二