Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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おうべいかっこく せいきょうにっき

井上円了・世界旅行記

井上 円了

Lisez 井上円了・世界旅行記 (おうべいかっこく せいきょうにっき) de 井上 円了 (いのうええんりょう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 260 015 caractères · 519 écrans

Aozora Bunko

当夕また浮雲月光を遮る。甲板上にて船客の舞踏会あり。

九日、晴れ。正午、太陽まさしく頭上にあり。船、北緯四度半に達す。終日南風やや強きも、波高からず、満船清涼を覚ゆ。当夕八時、汽船の五、六丁離れたる所を通航するに会し、船客互いに呼応して過ぐ。夜半仰ぎて明月を望むに、少しく頭上よりも北天に懸かるを見る。熱帯に入りて賦したる詩歌各一首あり。

大西洋上客舟軽、遥向二太陽直下一行、電扇送レ風風亦熱、氷和二麦酒一幾回傾。

(大西洋上に客船の足も速く、はるかに太陽の直下に向かって行く。扇風機は風を送るもその風すらあつく、氷と麦酒とを幾杯かかたむけたのだった。)

赤道の雲ににほへる紅は、夕日のそむる錦なるらん

九月十日(日曜)、晴れ。午前礼拝式あり。九時半、赤道を横断す。

我身堪レ笑似二虚舟一、漂蕩任レ風不二暫留一、横二断大西洋上路一、復踰二赤道一入二南球一。

(わが身はだれも乗っていない舟のようだと笑いをおさえる。風にまかせてしばらくもとどまらずにただよい行くのだ。大西洋の航路を横断して、ふたたび赤道を越えて南半球に入ったのである。)

終日、南方より涼風を送り来たり、寒暖は昼夜ともに八十一、二度なり。