Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しぐれがさ

人情武士道

山本 周五郎

Lisez 人情武士道 (しぐれがさ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 24 700 caractères · 51 écrans

Aozora Bunko

慎しく云いながらこちらを見上げた。少しも憂いの色のない、初夏の空のような明るい眸子であった。然もその明るい眸子の裡に、もうかなり以前から至にだけ訴えかけている仄かな感情が、躊らいがちに動きはじめていたのである。「父があのように我儘になるのは西郡さまだけですの、本当にお気の毒でございますけれど、あのように勝手放題にできるのは西郡さまだけなのですから、……済みませぬけれど、どうぞお赦しあそばして」

「いやそれはかえって赤面します、拙者こそ我儘者で、お父上に向うと妙に気が立って来るのです、実にこれは不思議なことなんですが」

「兄がそう申して居りました」幸枝は笑いたいのを我慢しながら云った、「父上と西郡さまとは絵に描いた竜と虎ですって、喧嘩をしながらどちらも離れることが出来ないのですって」

「臍のひねくれている虎ですか」

至と幸枝はいっしょに失笑した。さっきから八木次郎太は、妬まし気な眼で、二人の語りあうさまを見戍っていた。もし見る者があったら、かなり不愉快な色をその眼の中に読むことができたであろう。……庭の向うで市郎兵衛が、「ちょッちょッちょッ、来いよ来いよ」