Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
にんげんひょう
人間豹
江戸川 乱歩
Lisez 人間豹 (にんげんひょう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 155 989 caractères · 311 écrans
老人はロウソクの光に神谷の面変りした顔を認めたのだ。
「ハハア、するとなんだな。君は、あれを知っているんだな。だが、どうして? ああ、そうだ。壁の板に隙間があったんだな。そこから、君はあれを見たんだろう。それに違いない。おい、君、見たのか見ないのか」
だが神谷は答えなかった。答えずとも彼の表情がすべてを語っている。
「フン、見たんだな。見たとすると、気の毒だが、君は永久にここから出すわけにはいかぬ。いいか。なぜ出せぬか、そのくらいのことは説明せんでもわかるじゃろう。観念したまえ。ハハハハハ」
そして、パタンと無慈悲に閉まる覗き穴の蓋、老人の立ち去るけはい、室内は元の暗闇にかえった。
老人は、息子の殺人罪を目撃された上は、生かしておけないというのだ。今にも、あの人間豹の息子を彼の密室にさしむけて、弘子同様の目にあわせるか、或いは老人の銃口が、覗き穴から首を出して、彼を狙いうちにするか。そうでなくても、このままほうっておかれたら、やがて飢え死にをしてしまうに違いない。
逃げ出そうにも、この厚い板壁、頑丈な板戸、道具とてない一人の力で、どう破ることができよう。