Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
にんげんひょう
人間豹
江戸川 乱歩
Lisez 人間豹 (にんげんひょう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 155 989 caractères · 311 écrans
「おや、今なんだかガサガサって音がしたじゃねえか」
「鼠だろう」
「鼠なもんか。どうやら、この辺が臭いぜ」
突然、彼らはハッと息を呑んで、眼と眼を見合わせた。ごく間近くから、「ウーン」という妙な唸り声がして、パタパタと何かを蹴りつける音が聞こえたからだ。
「オイ、見ろ、あの中が怪しいぜ」
「ウン、そうだ、用意はいいか」
「やっつけろ!」
二人の眼が、そういう意味を伝え合った。そして、呼吸が揃うと、彼らは立ち上がるや否や恐ろしい勢いで、そこにある張子の仏像へ飛びついていった。
軽い張子のお釈迦さまは、一と突きで横ざまに倒れてしまった。同時に、仏像の体内に隠れていたものが、眼の前に暴露された。
まっ黒な人影が、スックと立ち上がって、こちらを睨みつけたまま、逃げだそうともしない。その男の顔のあたりに、燐のように底光りのする二つの丸いものが、じっと動かなかった。豹の眼だ。果たして、そこには恩田が隠れていたのだ。
恩田の足元に、肌も露わになって花売娘が倒れていた。いうまでもなく、江川蘭子である。猛獣はその可憐な餌食とたった二人で、さいぜんからずっと、この仏像の体内に潜んでいたのに違いない。