Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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なにがわたしをこうさせたか

何が私をこうさせたか

金子 ふみ子

Lisez 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) de 金子 ふみ子 (かねこふみこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 191 571 caractères · 383 écrans

Aozora Bunko

などと言い含めるのだった。

こんなことをする父を見ると、私はむしろ、哀れなる父よと言いたくなる。なぜなら私は、何で私が叔母に義理立てをしなければならないのであろうと考えるからだ。父は自分のしたことを棚にあげて、しかも勿体らしくかつ道徳家らしく、私に義理を強いようとするのだ。そこへ行くと叔母はまだよくわかっている。叔母は決して私に義理立てなどはしない。叔母は真実私を愛してくれる。だから、父がこんなことを言って私にお説教をするたびに私は、叔母に、父の言ったことを話して二人で大笑いするのだった。

こんな風のことから私は父の家に来て十日経ち二十日経つうちに、父の家の空気と私との間にはどうしてもどこかソリの合わぬところがあるのを感じ始めた。つまり、私が父の家の者でないということが段々と私にわかってきたのだ。

中にも一番困ったことは、父の家で行われる朝の礼拝であった。

父の家では、父も叔母も弟も、毎日必ず、朝食前に床の前にきちんと座って、例の「佐伯家系図」に向って敬虔な礼拝をささげるのだった。

無論これは、父のような思想の持ち主にとっては、極めて妥当な、また真面目なことであったのには相違ない。