Classiques japonais avec furigana
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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lisez 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) de 金子 ふみ子 (かねこふみこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 191 571 caractères · 383 écrans
社会主義者のいうことは、何が何だか私には解らなかったが、でも、何かしら、買わねばならぬような気がしたので「私に一冊下さい」と小さな声で言ってみた。
「へい、四十銭です」とそれを持っていた男が、一冊を取って私に渡した。
すると、いつか原口と自分を名乗った男がそれをききつけて、
「おい、君これは我々の仲間になるべき人間だ。原価でわけてあげよう」とその男に言った。
「うん、そうだ。そうしよう」と前の男もそれに賛成して二十銭でいいと私に言った。
なるほど、間もなく私は「仲間」になった。「仲間」になってから考えてみると、初め私に本を渡そうとしたのは確か、その後米村に殺された高尾さんで、その一団は、後に巣鴨の労働社に集まった連中だった。
雨の降る日の夕刊売りは全く惨めであった。傘をさして雨の中に立っていると、着物の裾は泥だらけになるし、肝腎の新聞は濡れてぐしょぐしょになるし、従ってそれは容易に破れたりくっついたりした。天気のいい日には新聞を橋の手摺の下に積み重ねておいて、籠には少しばかりしか入れていないのであるが、雨の日はそうは行かないので、初めから全部を籠に入れて肩にかけていなければならない。