Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

とううん

凍雲

矢田 津世子

Lisez 凍雲 (とううん) de 矢田 津世子 (やだつせこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 121 caractères · 29 écrans

Aozora Bunko

その工場がこの不景気で危くなったときいて、あぶらやでは急きはじめた。すぐ返済してくれ、さもなければ裁判にかけると威かしたという。そんなことから、お高の父親は肚を立てて、お高を連れ戻した――と、これは畳屋の話である。

「いやあ、その県下の工場へは、菅原さんが出したって話だがね。そいつがどうも、保険料を融通したんで、その埋合せをあぶらやに頼んだところが、約束ばかりでね。さっぱり金の面こをみせてくれねえもんで、菅原さん、肚たてたんだな。肚立てるのも無理がないさ」

戸籍係りの時二郎が物識り顔で言った。みんなは、どっちにも信をおきかねたが、菅原と同じ役場に勤めているという訳からも、時二郎の言葉の方を重く聴いた。

お高の父親の菅原孫市は、役場の収入役を勤めるかたわら、保険会社の代理店をも引きうけていた。これ迄も、使い込みがばれて、会社との間にいざこざがあったけれども、その都度、町長が仲に入って、取り纏めてきたという噂も立っていた。

つまった煙管を真っ赤になって吹き通していた親方は、吻っとひと息いれて、

「可哀相なのはお高さんだなあ。あんな縹緻よしがさ。どうだ、時さん、ひとつ、あたってみないかい」