Classiques japonais avec furigana
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ぜんきてんまやけ
前記天満焼
国枝 史郎
Lisez 前記天満焼 (ぜんきてんまやけ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 48 568 caractères · 98 écrans
と、黒鴨の武士であるが、別に切り込んで行こうとはせず、あべこべにヒョイと後退ると、ダラリと両手を両脇へ下げ、それからまたも懐手をしたが、薄っペラの調子で喋舌り出した。
「ざっとこんな恰好で。つまり貴殿不承知なら、秘密の小口を明かせた手前、生かしては置かぬ! 叩っ切る! と云うことになりますので。……と云うとおっかない話になるが、何のこんなにも旨い話、貴殿諾かずにおられましょうか。承知と云われるは知れたことで。……だが日当不足となら、清水の舞台から飛んだつもりで、一日十両まで糶り上げましょう。これでは御不満ありますまいな。手を拍ちましょう、シャンシャンシャン! いかがなもので? シャンシャンシャン!」
呑んでかかった態度である。
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こいつを聞くと若侍は、にわかに愉快になったらしい。
「一風変わった悪党だわえ。よしよし面白い面白い、ひとつこいつの手に従いて、殺人請負業を開店いてやろう。天変地妖相続き、人心恟々天下騒然、食える野郎と食えぬ野郎と、変にひらきがあり過ぎる。こんな浮世ってあるものか。殺人だって必要さ」
そこで若侍はズバリと云った。
「きっと十両出されるかな?」