Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かご

加護

宮本 百合子

Lisez 加護 (かご) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 16 147 caractères · 33 écrans

Aozora Bunko

信仰にも、同じように、そういう試みの時期があるのを考えると、尚更、お幾には、黙っていられない心地がした。

自分でも経験がある。そこさえ辛棒し、目を閉った気で根を尽しているうちには、いつか晴れ晴れとした天地に入れる機運が廻って来るのである。

水を割った葡萄酒などを飲み、幾分元気になった頃、お幾は、そろそろとお恵さんに尋ねた。

「あなた、この頃も毎日通っておいでなの?」

「ええ。通ってはいますけれどね……なにしろ遠いので――今日なんかはやっと家まで辿り着いた位ですわ」

「遠いったってお恵さんS町までですもの。ここからそんなじゃあありますまい? そうね、どの位あるか」

お恵さんは、ぱっちりと眼を開け、心持上目で笑い出しながら、お幾を見た。

「あなた、御自分でお歩きになったことがあって?」

お幾も、この、穏やかな問いには、急処を突かれた心持がした。半分は大儀から、半分は、余裕のある生活の習慣から、彼女は、十町と、自分の足で歩いたということはなかった。

電車の通じる東京でありながら、それを利用出来ない不便な町筋を、寒い朝まだき、小一里歩かなければならない者の苦労を、お幾は、思っても見なかったのである。