Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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じゅうにしこう

十二支考(上)〔全2冊〕

南方 熊楠

Lisez 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) de 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 290 735 caractères · 566 écrans

Aozora Bunko

俵一つ、赤銅の撞鐘一口を与へて、御辺の門葉に、必ず将軍になる人多かるべしとぞ示しける。

秀郷都に帰つて、後この絹を切つて使ふに更に尽くる事なし、俵は中なる納物を、取れども/\尽きざりける間、財宝倉に満ちて、衣裳身に余れり、故にその名を、俵藤太とはいひけるなり、これは産業の財なればとて、これを倉廩に収む、鐘は梵砌の物なればとて、三井寺へこれを奉る、文保二年、三井寺炎上の時、この鐘を山門へ取り寄せて、朝夕これを撞きけるに、あへて少しも鳴らざりける間、山法師ども、悪し、その義ならば鳴るやうに撞けとて、鐘木を大きに拵へて、二、三十人立ち掛りて、破れよとぞ撞きたりける、その時この鐘、海鯨の吼ゆる声を出して、三井寺へ往かふとぞ鳴いたりける、山徒いよ/\これを悪みて、無動寺の上よりして、数千丈高き岩の上をば、転ばかしたりける間、この鐘微塵に砕けにけり、今は何の用にか立つべきとて、そのわれを取り集めて、本寺へぞ送りける、ある時一尺ばかりなる小蛇来つて、この鐘を尾を以て扣きたりけるが、一夜の内にまた本の鐘になつて、疵付ける所一つもなかりけり云々。

この鐘に似た