Classiques japonais avec furigana
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じゅうにしこう
十二支考(上)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lisez 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) de 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 290 735 caractères · 566 écrans
十二支考
「第1図 野兎」のキャプション付きの図
第1図 野兎
「第2図 熟兎」のキャプション付きの図
第2図 熟兎
「第3図 岩兎」のキャプション付きの図
第3図 岩兎
この一篇を綴るに先だち断わり置くは単に兎と書いたのと熟兎と書いた物との区別である。すなわちここに兎と書くのは英語でヘヤー、独名ハーセ、ラテン名レプス、スペイン名リエプレ、仏名リエヴル等が出た、アラブ名アルネプ、トルコ名タウシャン、梵名舎々迦、独人モレンドルフ説に北京辺で山兎、野兎また野猫児と呼ぶとあった。吾輩幼時和歌山で小児を睡らせる唄にかちかち山の兎は笹の葉を食う故耳が長いというたが、まんざら舎々迦てふ梵語に拠って作ったのであるまい。兎を野猫児とはこれを啖肉獣たる野猫の児分と見立てたのか。ただしノルウェーの兎は雪を潜って鼠を追い食う(一八七六年版サウシ『随得手録』三)と同例で北京辺の兎も鼠を捉るのか知れぬ。日本では専ら「うさぎ」また「のうさぎ」で通るが、古歌には露窃てふ名で詠んだのもある由(『本草啓蒙』四七)。また本篇に熟兎と書くのは英語でラビット、仏語でラピン、独名カニンヘン、伊名コニグリオ、西名コネホ、これらはラテン語のクニクルスから出たので英国でも以前はコニーと呼んだ。