Classiques japonais avec furigana
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じゅうにしこう
十二支考(下)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lisez 十二支考(下)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) de 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 251 906 caractères · 495 écrans
に、蛇は大抵の民族が甚く忌むものながら、インド人はほとんど持って生まれたように心底からこれを敬愛称美するとあった。予かつて南ケンシントン美術館に傭われいし時、インドの美術品に貴婦が、遊逸談笑するに両肱を挙げて、腋窩を露わすところ多きを見て、インドの貴紳に向い、甚だ不体裁な事と語ると、その人わが見るところを以てすればこれほど端正な相好なしと至って真面目に答え、更に館に多く集めた日本の絵に、美女が少しく脛を露わせるを指ざし、非難の色を示した。されば太宰春台が『通鑑綱目』全篇を通じて朱子の気に叶うた人は一人もないといったごとく、第一儒者が道徳論の振り出しと定めた『春秋』や、『左伝』も、君父を弑したとか、兄妹密通したの、人の妻を奪うたのという事のみ多く、わが邦で賢母の模範のようにいう曾我の老母も、若い時京の人に相馴れて京の小次郎を生んだとあるから私通でもしたらしく、袈裟御前が夫の身代りに死んだは潔けれど、死する事の一日後れてその身を盛遠に汚されたる事千載の遺恨との評がある。常磐が三子助命のために忍んで夫の仇に身を任せたは美談か知らぬが、寵弛んで更に他の男に嫁し、子供多く設けたは愛憎が尽きる(『曾我物語』