Classiques japonais avec furigana
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じゅうにしこう
十二支考(下)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lisez 十二支考(下)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) de 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 251 906 caractères · 495 écrans
その事日本の巡礼輩が杓子貝を帯ぶるに合うとは、多賀や宮島に詣る者、杓子を求め帰るを誤聞したものか。英国にも杓子貝を紋とする貴族二十五家まであるは、昔カンポステラ巡礼の盛大なりしを忍ばせる。
昔この尊者の遺体を、大理石作りの船でエルサレムよりスペインへ渡す。ポルトガルの一武士の乗馬これを見、驚いて海に入ったのを救い上げて見ると、その武士の衣裳全く杓子貝に付き覆われいた。霊験記念のためこの介を、この尊者の標章とする由。英国ではこの尊者の忌日、七月二十五日に牡蠣を食えば年中金乏しからずとて、価を吝まずこの日売り初めの牡蠣を食い、牡蠣料理店大いに忙し。店に捨てた多くの空殻を集めて小児が積み上げ、その上に蝋燭を点し、行人に一銭を乞いてその料とす。定めて杓子貝に近いもの故だろう(チャンバースの『ブック・オヴ・デイス』二巻一二二頁。ハズリット『諸信および俚伝』二巻三四四頁)。
鶏に係わる因果譚や報応譚は極めて多い。今ただ二、三を掲ぐ。『新著聞集』酬恩篇に、相馬家中の富田作兵衛二階に仮寝した夢に、美女来って只今我殺さるるを助けたまわば、末々御守りとも成らんという。