Classiques japonais avec furigana
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じゅうにしこう
十二支考(下)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lisez 十二支考(下)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) de 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 251 906 caractères · 495 écrans
それからその長者の子に生まれたが短命で死に、また他の長者の子に生まれて出家したと。仏教は因果輪廻を説き慈愛を貴ぶ故、狗が一時の慈心を起しても得脱の因となるというのだ。
これに異なって、回教は何事も上帝の思し召しのままと諦めるべく教える。したがって狗の食事についてもこんな話が『千一夜譚』にある。ある人借金に困って逐電し餓えて一城に入り、大勢町を行くに紛れ込んで王宮らしい家に到り進むと、大広間の上に小姓や宦官に取り囲まれた貴人あり、起って諸客に会釈した。かの貧人たちまち身のほどを顧み、恥じかつ恐れ入って人の見えぬような所に坐しいると、たちまち見る一人素絹と錦襴を被せ金の頸環、銀の鎖を付けた四疋の犬を牽き来り別室に維ぎ、去って金の皿四つに好肉を盛ったのを持ち来り、毎犬一皿を供えて出で行った。ここでバートンの註に、湿熱烈しい諸邦では、朝夕犬に衣を被せぬと久しからずして痛風か腰痛で死ぬとある。貧人犬の美食を羨みいささか配分をと望んだが、吠えらるるを懼れて躊躇する内、上帝彼を愍み一犬に教えたからその犬皿より退き彼を招いた。御辞儀なしに頂戴して満腹しやめかかると前脚で皿を彼に押し進めた。