Classiques japonais avec furigana
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じゅうにしこう
十二支考(下)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lisez 十二支考(下)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) de 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 251 906 caractères · 495 écrans
五章。『郷土研究』一巻四二三頁拙文「呼名の霊」参照)。動物が自分の名や人の言動を人同様に解すると信ずるは何処の俗間にも普通で、サラワクやマレイ半島には動物が面白い事をするを見ても笑うてはならぬ、笑えば天気荒れ出し大災禍到ると信ずる者あり(一九一三年板デ・ウィントの『サラワク住記』二七四頁、一九二三年板エヴァンスの『英領北婆能および巫来半島宗教俚俗および風習の研究』二七一頁)。わが国でも鼠落しを掛くるに小声でその事を話し、鼠に聞えたと思えば今日はやめだなど大音で言う(『郷土研究』一巻六六八頁)。
さて一年の計は新年にありで、鼠害を減ずるため、支那で七日とか十日とかの夜、鼠の名を呼ばず馳走し、日本でも貴族の奥向きで三ヶ日間ネズミと呼ばずヨメと替え名したのだ。明暦二年板貞室の『玉海集』に「ヨメをとりたる宿の賑ひ」「小鼠をくはへた小猫ほめ立てゝ 貞徳」、加藤雀庵はヨメは其角の句に見えたヨメが君の略で、『定頼卿家集』に、尼上の蓮の数珠を鼠の食いたりけるを見て「よめのこの蓮の玉を食ひけるは、罪失はむとや思ふらむ」、このヨメノコからヨメガ君が出ただろう、ヨメは夜目なるべしと言った(『囀り草』