Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Lisez 南国太平記 (なんごくたいへいき) de 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 493 291 caractères · 991 écrans

Aozora Bunko

「えいっ」

その声は、低い――だが、力のあるものだった。庄吉が、首をすくめた刹那

(しまった)

と、肚の中で、絶叫した。右腕に、灼熱した線が当ったと感じると、腕を貫いて身体中に激痛が走った。ぼっと、音がした。血の噴出する音だった。庄吉は、ぐらっと右手へよろめいた。そして

(腕を斬り落された)

と、感じた。自分では、指も、手首も、未だくっついているように思えたが、激痛に縮み上るような右手へ、左手を当てると、腎から切り落されてしまっていて、生温かい血が、すぐ指の股から、流れ落ちた。

(しまった)

と、思うと同時に

(畜生っ)

庄吉は、眩暈のしそうな、頭を、身体を、じっと耐えて、左手で、素早く、書類を握りしめたまま斬り落されている腕を掴んだ。

調所は、十分の手答えを感じた。腕を斬り落したのが、明瞭判っていた。安心して、然し、十分に注意しながら脇差を構えたままで、暫く、じっとしていたが――ふっと、障子の方に、人の気配がしたので、耳を立て、目をやると、微かな足音が遠のいて行った。調所は

(しまった)

と、心の中で叫んだ。そして、その瞬間、大声で

「南郷っ」

と、呼んだ。