Classiques japonais avec furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lisez 南国太平記 (なんごくたいへいき) de 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 493 291 caractères · 991 écrans
鷹野変
鷹野変
薄く、低く、土煙を揚げて、片側並木の、田圃道から、村の中へ、三十人余りの、乗馬と、徒歩の人々が、入って来た。
子供が、家から走って出て、周章てて引込むし、百姓の女は、赤ん坊を背負って、軒下へ立つし、鶏は、馬の脚下から、飛び立って、駈け込んだ。
(久光ではなかろうか)
と、小太郎は、思った。久しく杜絶えていた鷹狩を、久光が、将軍から、鷹匠をかりて、試みるということを聞いていたし、この辺の近くに、お鷹野のあることも、知っていた。
先に立つ二人の徒歩のすぐ後に、拳へ、鷹を止めた二人の鷹匠が、裏金の笠に、小紋の鷹野支度をして、馬上で、つづいていた。そして、その後方に、久光が、同じ姿をして、徒歩士を、左右――茅葺の屋根、軒下に釣るした、いろいろのもの、道傍へ、軒下へ寄って、小さくなっている百姓などを、微笑で眺めつづけていた。
(久光であろう、きっと――)
と、小太郎が、百姓家の軒下から、家の横へ入って、近づいて来る人々の顔を、はっきり見ようとすると、先頭の一人の士が、急に走り出して来て、右手へ入ってしまった。
(御場段切れだ)
小太郎は、往来へ一足出て、士の入ったところを見て