Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Lisez 南国太平記 (なんごくたいへいき) de 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 493 291 caractères · 991 écrans

Aozora Bunko

二人は、答えないで

「早くせい。早く」

と、いった。西郷は、黙って、棺を見ていたが、だんだん俯向いて行った。

何処から洩れたか、刑場へは、遺族の人々の関係者、無関係な見物人が、集まって来ていた。

死体は、棺は、番小屋の前へ投げ出されて、土まみれになっていた。群集は、お互に険しい眼をして、黙っていた。掛の者は、番小屋の土間で

「首は、誰に斬らそうかの」

「誰に斬らす?」

「ああ見物が多くては、後の噂が困るでないか。拙者が、首を斬るのを見ていて、城下へ拡まっては、家の者へも合す顔が無い」

「役ならば、致し方もあるまい」

「いやだ。元来、一旦処置をして、而も、立派に腹をしたものを、その上、死体を掘り出して、曝すなど、あるまじきことじゃ」

「それは判っておるが、今更――」

と、いった時、足軽だの、人夫だの、番小屋の者などが、棺の蓋を、こじ開けて、木を軋らせたり、折れる音を立てたりしていた。

遺族の人々が、涙ぐんだ眼で、憤りの眼で、何かいいつつ近づこうとするのを、足軽が、押留めていた。

死体は、何れも、白無垢を着ていた。外は寒かったが、暖かい土の中に埋もれていた死体は、外からも、内部からも腐敗しかけていて、髪の毛は、一固まりになって、剥け落ちていたし、脣は、黒くなって腐り、歯が剥き出していて、人々へ怨恨を訴えているように見える