Classiques japonais avec furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lisez 南国太平記 (なんごくたいへいき) de 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 493 291 caractères · 991 écrans
十人、二十人かかってもよいから、それを一人で斬ったように見せさえすればよいし、わしが、飽くまで一人だといえば、それで通してしまう――」
「いかん、いかん」
ど、高橋が、叫んだ。
「西郷どんの腕で、三人も、斬れるかい」
「吉之助を、下手人にするのは、いかん。此奴は、斉彬公に入用じゃ。籤引にしよう、籤引に――何れ、今夜集まろうから、その場で籤引にして、切腹する奴を――三人つくろう」
「三人もいらん。将曹、平、二階堂と、ぽんぽんと、舶来銃でやっつけて、知らん顔をしておるがええ。それでやかましゅうなったら、俺がやったと申して、切腹してしまえばよい。籤引も、くそもあるもんか」
「然し、それでは、論が了えん。今夜、韃靼冬へ集まって、その上のこととしよう」
と、西郷が云った。
一人の浪人は、麻の襦袢を披げて、その背へ
露と消え身は死するとも亡き魂は
千代朝廷辺を守り奉らむ
水戸浪士 三岡源次郎吉次
と、書いて
「これでよい」
と、云って、筆を置いた。
「清川八郎でも、殺されるのだからのう。吾等とて、いつ何時、捕吏の手でやられるかも知れん――こうしておけば、わしの志だけは、判るであろう」