Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
めいじんじごく
名人地獄
国枝 史郎
Lisez 名人地獄 (めいじんじごく) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 149 286 caractères · 301 écrans
……あにきこいつは考えものだぜ」
いわれて甚三は黙ってしまった。身に覚えがあるからであった。
「よしお北さんが飯盛りでも、宿一番の名物女、越後生まれの大莫連、侍衆か金持ちか、立派な客でなかったら、座敷へ出ぬという権高者、なるほどお前も歌にかけたら、街道筋では名高いが、身分は劣った馬方風情、どうして懇意になったものか、不思議なことと人もいえば、このおいらもそう思う。……だがもうそれは出来たことだ、不思議だきたいだといったところで、そいつがどうなるものでもねえ。おいらのいいてえのはこれからの事だ。あにき、どうだな、思い切っては」
まごころをこめていうのであるが、甚三は返辞さえしなかった。ただ黙然と考えていた。
「こいつは駄目かな、仕方もねえ」甚内はノッソリ立ち上がったが、「あにき、おいらにゃあ眼に見えるがな。お前があの女に捨てられて、すぐに赤恥を掻くのがな」行きかけて甚内は立ち止まった。「あにき、おいらは近いうちに、越後の方へ出て行くぜ。おいらの永年ののぞみだからな」
平手造酒と観世銀之丞
甚内はじっとたたずんで甚三の様子を窺った。甚三は黙然と考えていた。