Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なつのそうれつ

夏の葬列

山川 方夫

Lisez 夏の葬列 (なつのそうれつ) de 山川 方夫 (やまかわまさお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 60 161 caractères · 122 écrans

Aozora Bunko

――むろん、ぼくはそれが自分の不安をごまかす果敢ない強がりであるくらいは、充分に承知していた。「率直」という、戦時中に得ていたはずのただ一つのぼくの倫理は、いまはぼくのなかで、鞘を失くした鋭利な短剣でしかなかった。すでにそれはぼくを支える力ではなく、ぼくの生身を、その自己欺瞞を、裏面からするどい尖端で突つきつづけて止めない。……「率直」な実行力とは、健康の同義語なのだ、とふいにぼくは思った。いま、自分はそれを失くしている。いつのまにか、ぼくはホンモノの病人になってしまったのだ。

そうなのだ。もはやそういった「健康」を喪ってしまったぼくは、復校してくる連中のひきおこす活動的な混乱、喧騒にいやでも巻きこまれて、きっとやつらのその健康に、つねに引目をかんじていなくてはならない。……ぼくはそんな毎日が確実に襲来する予感に、窒息死するみたいな、せっぱつまった圧倒的な恐怖をかんじて、よし、ではぼくは連中に、ぼくの読んだ本の名前と量をひけらかして、それでぼくを尊敬させ、別物視させてやろうか、と苦しまぎれに考えたりした。みずから「日課」としたあの読書にでも救ってもらわなければ、いったいなにがぼくを救い、やつらに対抗できる力になるというのだ。