Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なつのそうれつ

夏の葬列

山川 方夫

Lisez 夏の葬列 (なつのそうれつ) de 山川 方夫 (やまかわまさお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 60 161 caractères · 122 écrans

Aozora Bunko

一人ぼっちのプレゼント

ホテルは海に面していた。といっても、ホテルと海との間には、まず幅のある舗装道路があり、それから海岸公園のわずかばかりの緑地帯がある。海はその向うに、白や淡緑色の瀟洒な外国汽船や、無数の平べたい艀や港の塵芥やを浮かべながら、濃い藍色の膚をゆっくりと上下していた。

ホテルの隣りには小さな花屋がある。おそい秋の午後の、重みのない透明な光が、色とりどりの切花や鉢植えの花を輝かせて、そこにだけ鮮やかな色彩が乱れている。

その入口から、まだ若い夫婦らしい二人づれが出てきた。薄いウール地の和服の女は、眩しそうに掌で眉の上に廂をつくり、ワイシャツにセーター、ズボンの男のほうは、所在なげにホテルの部屋鍵を指で廻している。二人はぶらぶらと歩いて行き、まるで立止ったり向きを変えるのが面倒なためのように、そのまま舗道を横断して、海岸公園に入った。

女は顔をしかめた。手を頬にあてる。

「雨かと思ったら、繁吹が風で飛んでくるのね。痛いわ」

男は答えずにベンチに近づく、海が、その足もとに轟音をたたきつける。

「海なんて大きらい」と、女がいった。

男はベンチで脚を組んだ。ポケットからハンカチを出し、眼鏡を拭きはじめる。