Classiques japonais avec furigana
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よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
Lisez 夜明け前 (よあけまえ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 105 172 caractères · 206 écrans
なんと言ってもお粂もまだ若いなあ。おれがあのお父さんの病気を祷りに行った時にも、勝重さんが一緒について行くと言って困った。あの時もおれは清助さんに止められて、あんな若い人を一緒に参籠に連れて行かれますかッて言われた。それでも勝重さんは行きたいと言うもんだから、しかたなしに連れて行った。懲りた。今度はおれ一人だ。それに娘なぞを連れて行く場合じゃない。ごらんな、十八やそこいらで、しかも女の足で、あんなお宮の方へ行かれるものかね。ばかなッて、おれはしかって置いたが。」
「まあ、嫁入り前のからだで、どうしてそんな気になるんでしょう。」
夫婦の間にはこんな話が出る。お民はわざわざ妻籠まで行って来た娘の縁談のことをそこへ言い出そうとして、幾度となく口ごもった。相談らしい相談もまとまらずじまいに帰って来たからであった。半蔵の方で聞きたいと思っていたことも、それについての妻籠の人たちの意見であるが、お民はまず生家に着いた時のことから、あの妻籠旧本陣の表庭に手造りの染め糸を乾していたおばあさんやお里を久しぶりに見た時のことからその話を始める。着いた日の晩に、和助を早く寝かしつけて置いて、それからおばあさんや兄や嫂と集まったが、お粂のようすを生家の人たちの耳に入れただけで、その晩はまだ何も言い出せなかったという話になる。