Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

よながひめとみみお

夜長姫と耳男

坂口 安吾

Lisez 夜長姫と耳男 (よながひめとみみお) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 27 604 caractères · 56 écrans

Aozora Bunko

俗念は無益なことだ。ヒメに本心があるとすれば、あどけない笑顔が、そして匂いが全てなのだ。すくなくともタクミにとってはそれが全てであるし、オレの現身にとってもそれが全てであろう。三年昔、オレがヒメの顔に見とれたときから、それが全部であることがすでに定められたようなものだった。

どうやらホーソー神が通りすぎた。この村の五分の一が死んでいた。長者の邸には多数の人々が住んでいるのに、一人も病人がでなかったから、オレの造ったバケモノが一躍村人に信心された。

長者がまッさきに打ちこんだ。

「耳男があまたの蛇を生き裂きにして逆吊りにかけ生き血をあびながら咒いをこめて造ったバケモノだから、その怖ろしさにホーソー神も近づくことができないのだな」

ヒメの言葉をうけうりして吹聴した。

バケモノは山上の長者の邸の門前から運び降ろされて、山の下の池のフチの三ツ又のにわか造りのホコラの中に鎮座した。遠い村から拝みにくる人も少くなかった。そしてオレはたちまち名人ともてはやされたが、その上の大評判をとったのは夜長ヒメであった。オレの手になるバケモノが間に合って長者の一家を護ったのもヒメの力によるというのだ。