Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

むゆうびょうしゃのし

夢遊病者の死

江戸川 乱歩

Lisez 夢遊病者の死 (むゆうびょうしゃのし) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 121 caractères · 22 écrans

Aozora Bunko

父親が火鉢の抽斗から湯札を出して、銭湯へ出掛けた様子だった。暫くたって帰って来ると、彼の御機嫌をとる様に、

「すっかり晴れたよ。オイ、もう寝たのか、いい月だ、庭へ出て見ないか」

などといっていた。そして自分は縁側から庭へ下りて行った。その間中、彦太郎は四畳半の壁の側へ俯伏して、泣き出した時のままの姿勢で、身動きもしないでいた。蚊帳もつらないで全身を蚊の食うに任せ、ふてくされた女房の様に、棄鉢に、口癖の「死んじまえ。死んじまえ」を念仏みたいに頭の中で繰返していた。そして、何時の間にか寝入って了ったのである。

それからどんなことがあったか。

その翌朝、開けはなした縁側からさし込む、まばゆい日光の為に、早くから目を覚した彦太郎は、部屋の中がいやにガランとして、昨夜のまま蚊帳も吊ってなければ床も敷いてないのを発見した。

さてはもう父親は出勤したのかと、柱時計を見ると、まだやっと六時を廻ったばかりだ。何となく変な感じである。そこで、睡い目をこすりながら、ふと庭の方を見ると、これはどうしたというのであろう。父親がそこの籐椅子に凭れ込んで、ぐったりとしているではないか。