Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おおえどおうごんきょう
大江戸黄金狂
野村 胡堂
Lisez 大江戸黄金狂 (おおえどおうごんきょう) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 26 754 caractères · 53 écrans
「山浦さん、三年越、私は忘れ兼ねました。たったひと言」
「お滝」
山浦丈太郎の手は、お滝の肩を引寄せて居たのです。お滝の思いの外の善良さが判ると、丈太郎の心の中に、関所役人時代の誼みが蘇み返えったのでしょう。
「嬉しい、山浦さん」
二人の激情には構わず、
「いいか、四本目だぞ、こいつは少し固いや」
海道丸の声と共に、ひとしきり又小石の雨が降りますが、一瞬の後に迫る死も忘れて、丈太郎とお滝は夢心地に顔を見合せて居りました。
「入口の扉の側が宜いぞッ」
空善は天来の啓示にハッと気が付くと、男女二人の陶酔を破って、グイグイと岩の扉の下に押やりました。
同時に、ガラガラドシンと天柱地軸も崩るる音、立昇る土煙りに、暫くは何が何やら解りませんが、間もなく、山浦丈太郎とお滝は、自分達だけは無事だった事に気が付きました。
「御坊、御坊」
「此処じゃ、手を、手を貸して下され」
見ると、岩と岩との間に挟まって、雲水空善は身動きもならぬ有様です。幸い天井が落ちたので、中天の月が明る過ぎるほどよく照して居ります。
「御坊、お怪我は?」
「少し重過ぎた、腰が砕けてしもうたらしい」
振り仰ぐ青い顔、淋しい笑はコビリ付いたまま、死の色が次第に濃くなり行きます。